霊泉寺温泉和泉屋旅館(長野県丸子町)
■泉質 単純温泉 8.4PH
■泉温34・6度
■主な成分カルシウム・ナトリウム・硫酸・炭酸水素イオンなど
■効能 高血圧、胃腸病、じんましん、ぜんそく、便秘など
国道254号線から霊泉寺温泉に向か分岐点に『霊泉の脈を探らんと欲すれば 流れをきりて左辺は向かえ』と彫られた石の道標がある。老舗・和泉屋旅館は、ここから左へ車で五分の道のりでる。
平安末期の武将・平維茂が、白山権現の霊示をうけ、美女に化身した鬼女を遺治した折、湯を浴びて体力を回復したという入湯伝説が残る温泉地だ。近接の鹿教湯温泉、大塩温泉とともに国民保養{温泉地・丸子温泉郷を形成している。
脳内物質の分泌を促す
温泉伝説の平維茂は、白山神社と一寺を建立し.温泉の効験に感謝した。寺僧が浴場を作り近在の人々に開放したところ、霊泉の効き目すばらしく身体堅固になり、難病も治ったので、寺号を金剛山霊泉寺とした。温泉は、その後寺湯として数百年続き、寺の手を離れて庶民の湯治場になり今日に到っているという。
温泉地には、必ず発見伝説が残り、それにまつわる神仏が祭られ、源泉の保全と効能にたいする感謝の祈りが半ば公式化されている。
浜松医科大学の高田明和教授によると私たちが神仏に祈りを捧げ、心が安らいだり、慰められて元気がでたり、幸福感を味わったりするとき、まちがいなく私たちの脳内物質が変化している。快感や幸せ感を与えるドUパミン、セロトニンといった物質が多く分泌されているのだという。私たちは神経伝達物質やホルモンなどの脳内物質があるおかげで考えたり、感じたりすることができるが、大切なのは、逆に私たちのものの考え方、心り持ち方で脳内物質を変化させられることだという。うれしいと思い、ありがたいと思うことで、さらにそのような気持ちを促す脳内物質が分泌される。これを続けることによって意欲や、積極性、自然治癒力などが高まるという。
なるほどと思う。「その気になる』ことが重要な意味をもつ。
源泉水の効能を信じて入浴・飲泉し、家族や旅館の人々の心遣いに感謝して湯治することで、快適な脳内物質の分泌を促し、つねに明るく前向きに考えることができる。温泉の成分や自然環境と相まって、病気を治したり、免疫機能を高め元気に生きられるようになる力が出てくるのだ。
220の血圧が130台に
今も残る霊泉寺にお詣りしてから、和泉屋旅館の大浴場で入浴、カルシウムイオンが豊富な源泉水を飲んだ。無色透明で、イオウ臭さもなく、いやな刺激のない味わいである。
40代前半に二度の脳硬堅を経験したという吉田信枝さん(52)が話してくれた。
「お酒が好きで体重も増えて、こどもの進学の心労と重なったりして、グラッときた。救急車で病院に運ばれました。血圧が上220、下98もありました。5、6年前から食塩療法と、毎晩70分ほどのウォーキングと併せ、ほぼ毎週ここに通って入浴・飲泉し、家にも20ほどくんで帰り、水代わりに飲みました。薬を使っても150以下にはならなかった血圧が下がりだし、上130台、下70、80台で安定し、4年前から薬はやめてます。
今年2月の検診では、上132、下87でした。5年前に238あった血糖値も、3年前から正常位になりました。こちらは一度も薬を飲んでません。源泉水の効果があったと思います。
飲泉で280の血糖値が正常に
この源泉水には、硫酸イオンも多く含まれていて、硫酸塩泉の作用も示すようだ。入浴と飲泉で糖尿病、痛風、胆石、便秘などに効果を発揮するというものである。
2年半ほど前から毎月2回、和泉屋旅館を訪れている大林進さん(57)。
「検診で血糖値が140ありました。入浴して源泉水を飲み、4合人りの焼酎のペットボトルに15本くらいくんで帰ります。家では朝晩、お茶を淹れて飲みます。いつの間にか血糖値が110前後に下がっていた。とくに食事制限はしないし、酒も飲む。変わったのは、源泉水を欠かさず飲むことくらい。もちろん血糖の薬などは最初から飲んでません」
血糖価が一時は280もあった横井秀夫さん(55)は、「箸をもつ手がふるえたりしてました。一昨年の暮れ頃から朝晩飲むようにしたら血糖値が下がり、手のふるえも治まりました。薬は一切飲んでません。源泉水のおかげです」
ぜんそくを治して長寿全う
和泉屋旅館の先々代・故清水坦二さんは、50代から重度のぜんそくに悩まされてきたという。現女将の清水泉さんが話してくれる。
「あちこちの病院では治らず、東京のお医者さんに奨められて、源泉水を飲んだり、鼻から吸って口から出すことを繰り返していたらすっかり治り、以降はこれといった病気もせず94歳まで長生きしました」
和泉屋旅館の左手に小さな共同浴場がある。源泉は同じ。人浴料は100円。地元の人々は、もっぱらこちらを利用する。毎日のように通ってくる滝澤春男さん(93)に会った。三年前に右脚を踏みはずして痛めたという。
「筋を悪くし、一時は這うような状態だったのが、一日おきの入浴によってよくなり、痛み止めもいらなくなりました」
奥さんの房子さん(74)は、「主人と一緒に来て入浴のたびに源泉水を飲みます。胃腸の調子はいいし、医者から「骨がしっかりしていて60代の体」とほめられます」
霊泉寺温泉に近い山々は知る人ぞ知る松茸の宝庫だという。
「松茸ごはんに土瓶むし、茶碗むし、焼き松茸なんて最高。あんた、秋にもう一度来なくちゃ」常連の湯治客がそっと教えてくれた。
■入浴・.飲泉が高血圧に効いた典型例
単純温泉は、一般に病後回復期の静養や、手術後の療養、骨折・外傷の療養に向いています。古来「中風の湯』「神経痛の湯』などとよばれ、名湯が多いものです。
ここの湯は、カルシウムイオンが1s中196rと豊富で、ぜんそくなどにたいする鎮静作用があります。硫酸イオンの保温効果および、硫酸塩泉として血糖降下作用が期待できます。
入浴と飲泉、毎日のウォーキングを組合せ血圧が下がった方の例は、カルシウムの降圧作用に、入浴(微温浴がよい)と歩行運動の効果が表れた典型的なものといえるでしょう。(日本温泉療法医会会長・植田理彦(談))
●アクセス
JR長野新幹線上田駅から鹿教場温泉行きバス宮沢下車。専用有線で連絡、送迎あり。
車 上信越自動道東部湯の丸ICから国道18号、254号経由約20q、30分。
●宿泊
和泉屋旅館 20268.44.2011
〒386・0321長野県小県郡丸子町霊泉寺温泉
1泊2食1万1700円〜1万8000円。
外来入浴(AM9〜PM9)500円。入浴・宿泊客は、源泉水持ち帰り可。
(医者もおどろく奇跡の温泉)より
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